2011年5月5日木曜日

活動報告-GW2 南三陸町-

南三陸町・戸倉地区では、地元の方が生活を取り戻すため米作りを決断されました。
「何もないけど米なら作れる」と歩み始めた農家の方を応援したく、お手伝いに駆けつけました。

1日目:田んぼの瓦礫撤去
2日目:苗作り



南三陸町立入谷小学校到着
まずは、小学校で南三陸町でボランティアをしてる筑波大学生の藤原さんと合流
しました。藤原さんは312日に自転車で筑波から南三陸町に向かい、入谷小学校
の避難所でボランティアをしています。合気道で培った心身が頼もしいです。
避難所のボランティア活動はもちろんのこと、避難所にいる人たちとブランコや
物干し竿をつくったりもしたそうです。

南三陸町立入谷小学校




戸倉地区住民の方のお話によると、この地区で全壊した家は、集落の90%。
海から距離があったため、避難しなかった人が多く、53人もの犠牲者が出て
しまったそうです。専業農家の集落でしたが、トラクターや牛も流され、畑には
瓦礫やヘドロがたまってしまいました。家も畑も仕事も財産も失った住民が多く、
現在は集落で助け合って暮らしておられます。
ボランティアが向かった家は幸い自宅が残った10%のうちの一軒でした。
ここは、地域住民の避難場所となっており、一つ屋根の下、20人が暮らしておられ
ます。今だライフラインが復興しておらず、食料は全て救援物資でした。

そんな状況の中、復興に向けて何かできないかということで持ち上がったのが、
米作り再開の話でした。

通常であれば、5月は苗植えが終わっている時期。
しかし今年は、多くの畑が塩害によって使えなくなった上、種屋が流されて苗を
買うことができなくなっており、誰も田植えの準備ができていませんでした。

そんな中、この集落で協力してくださる方が現れました。
それが、今回訪問したお宅の方で、畑の他、ビニールシート、種、トラクターまで
快く提供してくださりました。復興田植えプロジェクトの開始です!


■ビニールシートの洗浄
まず、波でつぶれたビニールハウスを解体し、ビニールシートを再利用する準備から。

津波でへし曲がったビニールハウス

はじめに、ビニールハウスの上にあったがれきを撤去しました。
次に、ビニールシートを穴が空かないように注意しながら鉄骨からはずします。

ビニールシートに覆い被さっていた黒い土はヘドロで、きつい異臭を放ってい
ました。ビニールシートは50m以上もある上に、ヘドロは見た目以上にずっしりと
重く、学生・社会人総出20人でかかっても、洗浄には時間がかかりました。

ヘドロまみれのビニールシート
ホースで水をかける

大量の川の水で再洗浄

大人数でも午後いっぱい作業は続いた

最終的に、ヘドロまみれだったシートが透明に!
   
暑い日で日差しも強かったため、みんな黒く焼けて、たくましくなりました。



■種まき
昨日、ビニールシート洗いは完了したので、本日は苗作りにとりかかります。

もみがらを土に蒔く

どの家も、ここ10年ほどは苗を業社から買っていたそうで、農家でも若い人の中には、
もみがらを蒔くところから稲作りをするのは初めてだと言う人がいました。

大人数で一気に蒔く

お米はもみがら1粒から、1200粒ほど収穫出来るそうです。
順調に育てば、1枚で30kgほど採れるという計算になります。
全部育てば、集落の全世帯分の1年間分の米ができ、さらに余る計算だそうです。

このお米作り再開ボランティアは、今後も要望があれば、田植えから収穫まで、
お手伝いしたいと思っています。


Photo :Noguchi
Report:Noguchi

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